2012年4月20日農林水産省は、『食品中の放射性物質に係る自主検査への対応に関する通知』を出した。
★食品検査、独自基準やめて…農水省が通知 読売新聞 2012年4月21日 夕刊
食品中に含まれる放射性セシウムの検査で、国の規制値より厳しい独自基準で検査をする動きが広がっているとして、農林水産省は20日、食品関連の270団体に、国の規制値に基づく検査を求める通知を出した。
同省は「独自基準は、国の新規制値を形骸化させる」としている。
国は4月から、暫定規制値(一般食品に含まれるセシウム1キロ・グラム当たり500ベクレル)を改め、新規制値(同100ベクレル)を導入。ただ、一部の食品スーパーや消費者団体などは「消費者により安全・安心を届けたい」として、100ベクレルよりも厳しい規制値を独自に設けている。通知は「過剰な規制と消費段階での混乱」を避けるため、新規制値に基づく検査を要望。規制値は世界的にも厳しい基準であることを強調している。
農林水産省の定めた、放射性セシウム100ベクレル/㎏の新基準値は、チェルノブイリ事故後のウクライナ共和国、ベラルーシ共和国等における住民の健康被害の実態を無視した、あまりにも高すぎる基準値であり、とうてい受け入れることはできない。
市民放射能測定所や各自治体が独自の検査を行い、スーパーなどが独自の基準値を設け、安心できる食材を購入または販売できるようにするのは至極当然のことである。
農林水産省のみなさんは、放射性セシウム100ベクレル/㎏が人体にどれほどの影響をもたらす結果となるか、自分の頭で考えたのか。
忠告をしたい。国際放射線防護委員会(ICRP)の放射線防護モデルはまったく機能していない。チェルノブイリ事故後の住民の健康被害を説明できないだけでなく、イギリス、セラフィールド核燃料工場周辺における、子どもたちの白血病の急増や、イラクの劣化ウラン弾の被害による、子どもたちの白内障の原因を説明できていない。
農林水産省が依拠している「放射線防護の専門家」の考えた計算式そのものが間違っているとしたら、100ベクレル/kgで安全とは言えない。
ただちに4月20日に出した、『食品中の放射性物質に係る自主検査への対応に関する通知』通知の撤回と謝罪をもとめる。
2012年4月21日 内部被ばくを考える市民研究会 川根眞也
農林水産省の出した通知『食品中の放射性物質に係る自主検査への対応に関する通知』農林水産省への意見窓口
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- 2012/04/21(土) 22:20:24|
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2012年4月14日 横浜のよこはま県民活動サポートセンター室内で、ロシア製ガーガーカウンターRadex1503で1.2マイクロシーベルト/時越えを計測しました。
この日の神奈川県放射線グラフ

放射線モニタリング情報
Monitoring information of environmental radioactivity level
全国及び福島県の空間線量測定結果
放射線モニタリング情報全国及び福島県の空間線量測定結果 Topデータダウンロード
ダウンロード神奈川県 横須賀市 久里浜・船倉・佐原・浦賀・ハイランド・日の出・西逸見・長沢 の空間線量の変化(10分間) 2012年4月1日~4月18日 18:00pm
空間放射線量 神奈川県 横須賀市 20120401から0418
pdfファイルは
「内部被ばくを考える市民研究会」の資料の中の本文中にあります。
各地ごと44ページあります。ざっと見るとわかりますが、4月14日12:50pmから15:50の間に、今月における最高の空間線量を記録しています。
久里浜は4月14日12:50に0.0605を記録。通常は0.030~0.041程度。
船倉では4月14日12:50に0.0629を記録。通常は0.043~0.045程度。
佐原では4月14日12:50に0.0623を記録。通常は0.041~0.043程度。
浦賀では4月14日12:50に0.0611を記録。通常は0.045~0.047程度。
ハイランドでは4月14日12:50に0.0626を記録。通常は0.043~0.045程度。
日の出では4月14日12:50に0.0418を記録。通常は0.035~0.036程度。
西逸見では4月14日12:40に0.0516を記録。通常は0.037~0.038程度。
長沢では4月14日15:50に0.0511を記録。通常は0.037~0.039程度。
4月13日の夜、東京第一原発4号機で青い光が観測されています。直前まで4号機の使用済み核燃料プールでは水漏れで冷却水の循環が停止していたことを東電も認めています。
4号機の使用済み核燃料プールでの再臨界が起きた可能性は否定できません。でなければ、このような空間放射線量の増加は説明できません。
特にガンマ線しか測定できない、シンチレーション式カウンターでは大きな変化は計測できませんでした。しかし、ガンマ線、ベータ線の両方に反応するガイガーカウンターの数値が1.2マイクロシーベルト/時以上に跳ね上がるということは、ヨウ素131、キセノン131m、クリプトン85等の気体がベータ崩壊をした可能性があるのではないかとも思っています。
この日、USBタイプの線量計で、埼玉県川口市の自宅と、川根周辺の空間線量を同時に計測していました。3月からこの線量計 RadFlash PM1912 で計測していますが、始めて0.12マイクロシーベルト/時を計測しました。ガンマ線だけです。埼玉県川口市に自宅では8時42分頃。川根が持ち歩いていたものでは、横浜市のかながわ県民活動サポートセンターで16時12分~32分頃です。

2012年4月19日記
- 2012/04/19(木) 06:42:02|
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2012年4月1日から、放射性セシウムについての一般食品の基準値が100ベクレル/㎏になりました。これまでの暫定規制値の500ベクレル/からすれば、5分の1です。これをテレビ、マスコミでは「厳格基準」などと言っていますが、これほど高い放射能レベルのものを日常的に食べては非常に危険です。
まず、3・11の原発震災以前の規制値は輸入食品についてだけで、セシウム134よびセシウム137の濃度が370ベクレル/kg以下でした。この規制値はチェルノブイリ事故後のヨーロッパや旧ソ連諸国から輸入される食品を対象に1986年11月に決められたものでした。
しかし、輸入食品だけを食べるひとはいません。この数値であっても、国民の健康を守れると当時の政府は思ったのでしょう。現在、私たちの置かれている環境はすべて国産のものすべてに放射性物質が入っているかもしれない状況です。特に、福島、宮城、岩手、山形、秋田、茨城、栃木、群馬、千葉、埼玉、東京、神奈川、山梨、静岡ではそうです。山梨の一部、新潟の一部でもそうでしょう。この表現が大げさではない理由は、日本原子力研究開発機構は作成した、セシウム沈着予想(3月12日~5月1日まで)が示しています。

この東北および関東地方、中部地方と東海地方の一部に生きる方は、いやおうなしに、食品中の放射性物質による健康被害の影響に直面すると思います、それはあと5年か6年後かもしれません。3・11から1年が経ちました。広島で、奇形児の出産が目立ち始めたのが原爆投下後、6年後・7年後・8年後だと言います。白血病の1回目のピークが7年後、8年後、9年後だと言います。つまり、東京第一原発の放出した放射能による、奇形児出産のピークが2017年、2018年、2019年かもしれないということ。白血病のピークが2018年、2019年、2020年かもしれないということです。「これくらいの放射能は安全です」という放射能の専門家はその時にどんな責任を取れるというのでしょう。その子を持つ親は言葉で表せない苦しみを負うしかないのかもしれません。
そうならないために、放射性物質を食べてはなりません。子どもに食べさせてはいけません。
自然放射性物質 カリウム40と 人工放射性物質 セシウム134、セシウム137 は人体にまったく違う影響を与えます。たとえ、ベクレル数が同じでもです。そして、今回の100ベクレル/㎏という新基準は、食品中の放射性物質を何も規制しないにも等しいのです。なぜなら、現在流通している野菜、肉、魚ではほとんどが100ベクレル/kg以下だからです。しかし、毎日の食事で合計10ベクレル セシウム134、137を摂取しているとします。すると、700日後(=約2年後)には体内には1400ベクレルを越える セシウム134、137 が蓄積してしまいます。

たった、1日10ベクレル摂取しただけで、です。1㎏あたり100ベクレルの魚を100g食べただけで、10ベクレル食べたことになります。最近ではアイナメ、ヤマメ、タケノコ、シイタケ、干し柿などが100ベクレル/㎏を越えたものが流通しています。

ちなみに、4月1日から新基準値が設定されると言うものの、牛の飼料がこれまで300ベクレル/㎏までOKだった関係から、今年9月30日までは牛肉は500ベクレル/㎏までは規制されないことになっています。大豆にいたっては今年12月31日まで500ベクレル/kg。トマトジュースやにんじんジュースは今年3月31日製造分までは200ベクレル/kgまでOKと厚生労働省は決めています。
乳及び乳製品の成分規格等に関する省令の一部を改正する省令、乳及び乳製品の成分規格等に関する省令別表の二の(一)の(1)の規定に基づき厚生労働大臣が定める放射性物質を定める件及び食品、添加物等の規格基準の一部を改正する件について 厚生労働省医薬食品局食品安全部長 通知 2012年3月15日 本当にうそが多い国です。
そして、これまでの放射性セシウムの暫定規制値が500ベクレル/kgという「規制値」は、もし限度いっぱい食べているとすると、17ミリシーベルトに相当する、と厚生労働省も述べています。(2012年3月28日 美浜の会のホームページ参照)しかし、今回の100ベクレル/kgでは、ストロンチウムやプルトニウムも含めて、1ミリシーベルトに相当すると、彼らは言っています。

しかし、これはうそです。政府や厚生労働省が放射線の人体に対する影響を評価する元になっているのが、国際放射線防護委員会(ICRP)です。国際放射線防護委員会(ICRP)は、放射線に対する影響を外部被ばく:内部被ばくを1:1としています。一方、欧州放射線リスク(ECRR)は、少なくとも、1:300。または1:1000だと試算しています。
つまり、1:300だとすると、政府が決めた4月1日の新基準値による内部被ばくは1ミリシーベルトなのではなく、最低300ミリシーベルトや最高1000ミリシーベルトに相当する可能性があります。
100ベクレル/kgまで日本政府は食べさせようとしています。けっして食べてはなりません。
子どもも大人も毎日の食事は0ベクレルであるべきです。
- 2012/04/06(金) 00:14:29|
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