


北海道札幌市 給食 0ベクレル/kgを宣言
11月29日付け北海道新聞朝刊に以下の記事が載りました。
** 引用はじめ **
【給食は「不検出」食材だけ 札幌市教委、放射能検査 全国有数の厳格対応】
札幌市教委が12月から独自に始める学校給食食材の放射性物質検査について、同市 の上田文雄市長は28日、微量でも放射性物質を検出した食材は、放射性セシウムで1 キロ当たり500ベクレルなどとされている国の暫定基準値を下回っていても、使わな い方針を示した。道教委によると、道内で学校給食食材の放射能検査を始める予定の自 治体は、札幌以外にない。道外で実施している自治体のうち6月から始めた横浜市は、 暫定基準値よりも低い場合は「その都度、使用の可否を判断している」(横浜市教委) という。
** 引用おわり **
先の日記『学校給食を変えるために 2011年12月2日記』でも紹介した ように、放射性セシウムを毎日1ベクレル食べていても700日後(2年後)には200ベクレ ル弱たまります。しかし、毎日10ベクレル食べていると700日後(2年後)には体内の放 射性セシウムの蓄積量は1400ベクレルを超えます。(ICRP Publication111)これは、 体重60㎏の人で、体重1㎏あたり23ベクレル/㎏。体重15㎏の子どもでは体格が小さいので、1400ベクレルまではいかないと思いますが、体重1kgあたり30ベクレル/㎏を超 える可能性があります。
ベラルーシのゴメリ医科大学元学長ユーリ・I・バンダジェフキー氏は、体重1kg あたり50ベクレル/㎏以上、セシウム137が蓄積すると、生命に関する臓器が深刻な 危機に陥ると警告しています。また、体重1kgあたり20ベクレル/㎏以上、セシウ ム137が蓄積すると、不整脈などの症状が現れるとしています。欧州放射線リスク委員 会科学幹事のクリス・バズビー博士が、ユーリ・I・バンダジェフキー氏の報告に基づ き、心筋の1%が死ぬだけで心臓の25%の機能が失われることを動画で報告しています 。
youtube動画『福島の子供たちに心臓病増加の危機!セシウムが影響!バズビー(字幕)』 http://www.youtube.com/watch?v=OmTz_VuFovQ&feature=share
からだが小さな子どもほど、この放射性セシウムの影響は大きいのです。また、バナ ナなどにも含まれている自然放射線カリウム40については、このような破壊的影響は報 告されていません。(しかし、カリウムについても代謝-食事でカリウムを摂取して、 体内から古いカリウムが汗やおしっことして排泄されること-がうまくできなくなると 深刻な病気になるケースも報告されています。)カリウム40を引き合いに出して、セシ ウム134、137はまったく影響がないとする議論がありますが、これはまったくの間違い です。
東京新聞朝刊 4面などでは、ベクレル→ミリシーベルトへの計算式が載っています が、これは決定的なあやまりです。セシウム134、137の毒性について、このような計算 式で健康被害を推定することはできません。
<例>【4,350Bq/kgの牛肉を150g食べた場合の暴露量】 4,350Bq/kg×0.15kg注1×(1.6×0.00001)注3=0.01ミリシーベルト
注1 平成21年の国民健康・栄養調査での1日当たりの肉の摂取量(最も食べる量が多い 15~19歳男性の場合)=149.3g(150g)
注2 食品安全委員会では、上限を年間5ミリシーベルトとすることについては、かなり 安全側に立ったものであると評価しています。
注3 放射性セシウムの実効線量係数:1.6×0.00001(134と137が等量と仮定)
出典:兵庫県のホームページより『暫定基準値を超えた稲わらを与えられた牛の肉につ いて』
つまり、1回食べてもたった0.01ミリシーベルトにしかならないから、何回か食べた くらいなら安全と言っているわけです。
まず第一に、大人とこどもの心臓の大きさは同じではありません。そして、セシウム 134、137が心臓にたまるのか、脳にたまるのか、膀胱にたまるのか、等々、それぞれの 器官によって影響がまったく違うのです。数値を出して、「合計1ミリシーベルトまで は安全」という議論は、人間のからだを肉のかたまりをして考えています。そもそも、 ICPRの放射線防護モデルは、DNAの発見以前に作られたもので、ゲノム科学などの成果 を反映していません。(児玉龍彦教授)政府や放射線防護委員会や、いわゆる「100ミ リシーベルトまでは安全」と言っている放射線の専門家の言うことは間違っています。
特に胎児や乳児、小さい子どもには、0ベクレル/kgの食品を与えるべきです。 食品大手の明治の粉ミルク「明治ステップ」850g缶から最大30.8ベクレル/kgの 放射性セシウムが検出されました。これは埼玉県春日部市にある埼玉工場で3月12日か ら20日に製造した粉ミルクで、以下のような検査結果でした。
[賞味期限-放射性セシウム濃度]
2012年10月4日-21.5ベクレル/㎏
10月21日-29. 0
10月22日-30.8
10月24日-22.5
(12月7日毎日新聞朝刊)
これは、福島県二本松市の市民団体「TEAM二本松」の独自検査で判明したこと。「こ どものたべもの基金」の畠山浄さん(石川県常福寺副住職)が明治に伝えた(11月14日 )ところ、明治は「検査しているので問題はない」と答えたという。このため、より精 密な民間機関に依頼したところ、約45ベクレル/㎏が検出され、もう1度11月28日に電 話で通報したところ、約40万缶の無償交換を発表したのが、8日後の12月6日だったと のこと。(サンデー毎日12月25日号)まったく、子どもの健康と安全を無視する食品会 社であると断定せざるを得ません。
原乳の粉乳は大部分が豪州などの外国産で一部は北海道で、いずれも東日本大震災前 に製造されたものである、とのこと。明治によると、粉乳などを水などと混ぜ合わせて 霧状に噴霧したものを熱風で乾燥させて粉ミルクを作っていたとのこと。「乾燥の過程 で取り込んだ外気に含まれたセシウムが影響した」と明治は説明しています。
原料がこの通りであるとすると、水道水と空気が原因であると僕は思います。
<資料1>僕が測った放射線量 2011年3月15日。
これはさいたま市および川口市でロシア製の 放射線量計Radex1503で観測して空間放射線量のグラフです。この午後5時~6時の空気 をずっとあて続ければ、このような粉ミルクができるのは当然です。
そして資料2が埼玉県放射性降下物(ちり、雨水)の測定結果です。2011年3月19日 から3月31日の期間のものです。実はこれは埼玉県衛生研究所で計測されているもので す。6月10日、埼玉県衛生研究所に見学に行きましたが、その際、「なぜ3月19日以前の データがないのか?」と聞きました。この降下物(ちり。雨水)の測定は、文部科学省 の委託事業のため、検査は文科省の指示に基づいて行われていました。3・11以前は月 に1回測定すればいいことだったそうです。なんと「毎日測るように」と指示が出され たのは3月18日だとのこと。福島第一原発が3月12日以降1号機、3号機、2号機、4号機と 次々と爆発し、大量の放射性物質が飛んできているにもかかわらず、文科省はその調査 すら指示しなかったのです。データの隠ぺいならず、データそのものを測定しないこと による事実の隠ぺいを狙ったものだと思います。朝日新聞の連載『プロメテウスの罠』 と同様の「放射能を測定するな!」という指示がここにもあったのです。
<資料2>埼玉県放射性降下物(ちり、雨水)の測定結果 2011年3月19日 から3月31日 埼玉県ホームページより
資料2は3月19日以降のものですが、注目すべきなのは、3月21日、22日、23日、24日 の大量の放射性物質の降下量です。この期間には雨が降っていました。そして、3月20 日未明に福島第一原発3号機の圧力容器、格納容器の底が抜けたという分析をしている 方がいます。僕もこの見解に賛成です。 てんさい(い)さん 『2011年3月20日、隠蔽された3号機格納容器内爆発』 http://www.asyura2.com/11/genpatu13/msg/517.html 3月21日~24日、異常な放射性物質の降下があったのです。この事実については新聞 もテレビもまったく報道していません。
そもそも3月15日の大量の放射性物質の関東地 方への襲来について、翌日3月16日の各紙朝刊ではほとんど扱っていません。 粉ミルク「明治ステップ」の異常な放射性物質は、3月15日、3月21日、22日、23日、 24日の空気および水道水によって溜められたものではないでしょうか?これはあくまでも僕の仮説にしかすぎませんが。
放射性物質の襲来→粉ミルク賞味期限(放射性セシウム濃度)
3月15日→賞味期限2012年10月4日(21.5ベクレル/㎏)
3月21日→10月21日(29.0ベク レル/㎏)
3月22日→10月22日(30.8ベクレル/㎏)
3月23日→10月23日(22.5ベクレル /㎏)
3月24日→?
この間の空気中に拡散した放射性物質について、つくばにある高エネルギー加速器研 究所(KEK)が空気中に放出された放射性核種とその量を分析しています。資料3が 「空気中に放出された放射性核種とその量 Bq毎cm3 KEK 2011年3月15日から5月2 6日」です。
<資料3> 空気中に放出された放射性核種とその量 Bq毎cm3 高エネルギー加速器研 究所(KEK) 2011年3月15日から5月2 6日
地表に落ちた放射性物質のことだけが報道されていますが、地表に放射性物質が落ち るということは空気中に相当量の放射性物質が拡散していたのです。それを知らずに呼 吸していたということでもあるのです。僕は3月12日以降、福島県、宮城県のみならず 、東北地方、関東地方の各自治体はヨウ素剤を配布すべきであったと考えています。高 エネルギー加速器研究所(KEK)のグラフにもあるように3月いっぱいは相当な量の ヨウ素131が関東地方一帯に降り注いでいたと思います。
すべての学校給食の食材は0ベクレル/㎏にするべきだと思います。内部被ばくを考 える市民研究会12月例会でもどのように運動を進めるべきか話し会いたいと思います。 ご都合のつく方は是非、ご参加下さい。
■内部被ばくを考える市民研究会 12月例会■
12月16日(金)夜 18時45分~20時45分 浦和パルコ10階 浦和コミュニティーセンター第13集会室
参加費:会員の方は200円。一般の方500円
テーマ (1) 海に広がる放射能汚染 川根眞也
(2) ベラルーシの医師スモルニコワ・バレンチナ先生の報告 チェルノブイリ事故以降に子ども、大人に起きた症状 新井忍
※ 内部被ばくを考える市民研究会の会員を募集しています。
参加を希望される方はka wane@radiationexposuresociety.com へメールを下さい。
①お名前 ②住所 ③電話 番号 ④メールアドレス ⑤参加したい活動等のメッセージ
会費の納入は ゆうちょ銀行 記号10370 番号73181351
年間1500円(10月入会~1500円 2月入会~1000円 6月入会~500 円)です。
内部被ばくを考える市民研究会
事務局 川根 眞也
http://www.radiationexposuresociety.com/
E-mail kawane@radiationexposuresociety.com
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- 2011/12/14(水) 19:15:44|
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急な連絡にもかかわらず、35名の方が参加していただきました。
福島第一原発から降ってくる放射能は、イラクの劣化ウラン弾に詰められたいたものと同じ、原子力発電所のウラン燃料の燃えカスです。さらに、3号機のMOX燃料も小規模核爆発して燃えて飛び散っており、プルトニウムも降っています。
スリーマイル島原発事故でも、チェルノブイリ原発事故でも、人類が経験したことのない事態が起こっています。
福島県で血を吐いて死んでしまう突然死が起こっているようです。福島原発から、遠く離れた三郷市、柏市、流山市などのホットスポットでも、急性症状も起こっています。原因がよくわかりません。何か、セシウム137、セシウム134、ヨウ素131などとは違う核種は遠く離れたホット・スポットに降り注いているのではないでしょうか。
もう人々が住んでいてはいけない状況が進行しています。空間放射線量0.3マイクロシーベルト/時以上からの住民の避難を訴えます。0.2マイクロシーベルト/時以上の学校の学校閉鎖を訴えます。
9月末に「内部被ばくを考える会」総会を準備します。参加を希望される方は以下にメールを下さい。詳しい日程が決まり次第、連絡を差し上げます。
また、運営を直接支えたいという方を大募集しています。運営に直接携わりたい方のそのこともメールに書いて下さい。
内部被ばくを考える市民研究会 事務局 kawane@radiationexposuresociety.com
- 2011/08/31(水) 16:34:11|
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